プロフィール・私について / ハコミセラピーについて

川瀬 晴美(かわせ はるみ Harumi Kawase )

短いプロフィール

【心理系の資格】

公認心理師
米国ハコミ研究所認定ハコミセラピスト

約15年、DVや性暴力、差別、虐待、身近な人間関係などによるトラウマ症状、自己尊重感の低下などの女性の回復支援に携わってきました。
フェミニズム+ソマティック(※)のアプローチを用いて女性の心理支援をしています。
社会に求められる価値観ではなく「自分が大切にしたいもの」「自分自身の輝き」を見つけ、育てるお手伝いをしたいと願っています。

※ フェミニズム:”女性(妻など)だから~する・してはいけない””女性らしさ”など、性別によって社会や家族から与えられた役割を生きるのではなく、自分らしく生きよう!という考え方。地位や特権などを利用した社会的弱者への搾取や暴力(構造的暴力)の解消にも取り組み、女性のみならず、男性、あらゆる性別の方が対等に大切にしあえる世界を目指しています。

※ソマティック:「身体と心は互いに影響している」という考えに基づくアプローチ


長いプロフィール

(お時間のある方、どうぞお読みください)

10代のころ「自分のことが好きじゃない」「どうやったら社会で価値のある人として認められるんだろう」なんてことを思いながら生きていました。

勉強ができたらいいのか、家庭を持てばいいのか、この本を読めばいいのか…

解決策を外に求めては、なんか違う…ことの繰り返しでした。

当時は当たり前のように、女性は出産すると就職ができにくい時代で(今もですね)、学生時代の夢は失せてしまい、家で子どもと過ごしながら家事をして、パンを焼いたり楽しみを作り出しながらもどこか悶々と暮らしていました。今思えば、私の中にも”男性と同等に、会社で働いてこそ認められる”という思いもあり、それがさらに自分を苦しめていましたが、当時は気づいていませんでした。

そんな社会を変えていきたいと、フェミニズム運動のできるNPOで活動と仕事をはじめました。

たくさんの女性に出会いながら、NPOの活動に意義を見出すも、社会にある問題の多さと大きさ、その中で生きていくことに圧倒され、無力感を感じることも多くありました。結局、自分の無価値観との戦いがまた始まります。

そのようななか、ハコミセラピーに出会います。ハコミとはアメリカ原住民の言葉で”あなたは何者か?”という意味だそうです。

自分の人生の答えを外側に求める旅をやめて、自分を知る方向に舵を切りました。

という今でも時々、「外側に答えがあると楽なのにな~」「どこかに答え落ちてないかな」と惑いながら、たくさんの先生方(後述)のおかげで、何とか持ちこたえています。

というわけで、今も「私は何者なのか?」の旅の途中。答えがわからないけど、旅自体を楽しんで生きています。

【修了したトレーニングなどで主なもの】

・ハコミセラピー総合トレーニングコース(2015)

・女性のエンパワメント、女性や子どもへの暴力被害に関する研修多数

 (フェミニストカウンセリング、Resilience、RIFCRなど)

・2023.7トラウマ・センシティブ・マインドフルネス(David Treleaven/IMCJ13か月オンラインコース)

・2021.6 RYT200(ぬんヨガ)

・2017,2018陰ヨガTT(WITH-YIN YOGA/ Module1.2)

・2020.7ドラマワークファシリテータートレーニング(Sachi Nakano)

・2023 声のレッスンインテンシブコース(堀田義樹) 

【私に学びをくれた先生方】
 もっともっと書きたいところですが、今もお世話になっている方のほんの一部をご紹介します

ハコミ研究所の先生方
 ロレーナモンダ氏ウィリングヘム広美氏、岡田千恵子氏
 仲間のみなさん

・マインドフルネス
 島田啓介氏(だーさん)

・ヨガ
 ぬんさん
 一緒にティーチャートレーニングを過ごした仲間のみなさん
   (このホームページは、トレーニング同期のなぎちゃんに多大なサポートをしていただいて作成しました!)


・大切な体験を共有してくださったクライエントの皆さん

・家族

ハコミセラピーとは

アメリカの心理学者ロン・クルツによって体系化された心理療法です。

トラウマや愛着、パーソナリティなどの心理学、東洋の仏教にルーツを持つマインドフルネス、さらに最新の脳科学や神経生理学などの知見が融合されています。考え方や行動が無意識レベルから変容することを可能にしています。

詳しく知りたい方は日本ハコミ研究所のホームページや、書籍『ハコミセラピー完全ガイド』などもご参考になさってください。

ここからはハコミセラピーについて、私の視点と経験から書いています。

私が特に大切にしている3つの視点

1.身体の感覚を扱う(ソマティックと言います)

2.マインドフルネス

3.ともに生きる

1.身体の感覚を扱う(ソマティックと言います)

「情報」や「理解すること」それは人間として大切な能力で、必要なことです。一方で「言葉では説明しにくい”ざわざわ”した感覚」「腑に落ちない感覚」または「すっきりした感覚」など、私たちはいつも身体感覚とともに生きています。

頭では”こうしたほうがいい”と思っていても「行動できない」、「感情のコントロールをしたいけど難しい」なんてこともよくありますね。頭での”情報や理解”から実際の”行動や体験”が変わっていくためには身体の感覚を扱うことが有効だと言われています。

また、言語獲得以前の乳幼児期の体験や、愛着、トラウマなど神経系の反応として記憶されている傷つきなどにもソマティックセラピーが効果的です。

(クライエントさんの言葉より(個人を特定できないように編集しています))

◆対人関係で嫌なことがあると衝動的な怒りが止められず、後で後悔して、飲酒で忘れようとしても忘れられずに困っていました。セッションを受けて、自分の身体で何が起きているのかに気づき始めて、自分を責めることが減り、人とつながってみたいと思えるようになりました。

◆セッションでは「身体でどんなことが起きていますか?」と聞かれます。生まれて初めて自分の身体とこんなにたくさんの会話をしています。過去にトラウマ体験があり、身体感覚に圧倒され、身体感覚に伴う恐怖に支配される日々を送っていましたが、今は少しずつ自分の人生を歩いている感覚があります。

◆セッションの時以外でも自分で「身体でどんなことが起きてるだろう?」と観察するようになり、客観的に物事を見れるようになり助かりました。

◆自分の身体はあまり好きではありませんでした。自分は”他人とは違う感じ方をしている””繊細に感じすぎるからダメだ”と思っていたので、他の人と自分の身体感覚について話したことはありませんでした。セッションで扱えたことで「感じてもいいのだ」と思えたし、自分の身体はとても賢いと思いました。

◆毎日こんなに緊張していたと知ってびっくりしました。肩凝りや頭痛が心と関係していたとはびっくりです。

◆具体的な出来事を話すのではなく、身体の感覚やイメージを使って、理解してもらえたのは初めての体験で、とてもうれしかった。わかってくれる人がいると、自分は間違って生まれてきたのではない、と思えた。

2.マインドフルネス (「今ここ」を判断をせずに思いやりをもって観察し続ける意識の状態)

マインドフルネスはストレスの緩和や集中力の向上などに効果があると言われています。

ハコミセラピーでは、セッションにマインドフルネスを用いることで、変容・成長・回復を効果的にサポートします。

具体的には、日常会話と少し違った会話を行います。

日常会話やトークセッション、傾聴など(だけ)では、変化に時間がかかったり、制限的なビリーフ(誤った思い込み)が強化されてしまう可能性も多くあります。

例えば、「私は何をやってもダメ」という制限的なビリーフ(自分についての誤った/ 役に立たない思い込み)をお持ちの場合

・日常会話やトークセッションの例

 →①「何をやってもダメなんですね。具体的にはどんなことですか?」

   →一つ一つ解決策を見つけることも助けになるが、時間がかかり、セッション回数も長くなることも。

 →②「きっとできていることもあるはずですよ。一緒にそれを見つけましょう」

   →できていることを見つけることも助けになるが、”できない”時の自分への対処法が見つけられないかも。

・ハコミセッションの例

 →③「何をやってもダメ。といいながら今、うつむいていて、あなたの内面で何が起きているでしょうか?」

  →制限的なビリーフが出てきている状態(たいていは無意識)を意識化し、それが作られた体験と直接的に取り組むなど。

   自分自身への理解と思いやりが育ち、自分の役に立つ思考や行動を選択できるようにサポートする。

そして、マインドフルネスは、頭で理解するものではなく、体験を深める中で知っていくものです。

※下のボタンもしくはここをクリックすると、以下の内容を音声で聞いていただけます(ガイド瞑想)

 例えば、

 「人生の中で一番楽しかった出来事を思い出してみてください。

  そして、次のものにも意識を向けてみましょう。

  その時見えたもの、一緒にいる人や景色

  聞こえている音

  におい

  心の中で感じている気持ち

  あなたの表情

  身体の感覚。ゆるみや、エネルギー」

 このようにしていると、自然と集中しているのではないでしょうか。

この状態も、マインドフルネスです。

楽しかった出来事が今あるかのように感じられませんか?

これは、過去の出来事が、「今」このように記憶(身体に記録)されているということです。

マインドフルネスが”苦手”と言われる方にも多くお会いしてきました。

私自身も最初は、よさそうな感じがするけど、何をすればいいのか、どうすればいいのか、いいのかよくわかりませんでした。

・うまくできているかわからない

・集中できない

・宗教に関係するか不安

・瞑想とどう違うの?…

 などの疑問もありました。

10年近く練修をするなかで、体験的にわかってきたこともありますし、先生や仲間から学んだこともたくさんあります。そして今も時々つまづきながら学び続けています。

私が一つ言えることは「マインドフルネスは、誰もが持っている」ということです。

セッションの中では、「マインドフルネスにならねば」と意識していただく必要は全くありません。セッションを通して、一緒にあなた自身に役に立つマインドフルネスを育てていきたいと思っています。

※トラウマ症状が強い場合なども、調整しながらセッションを行います。

事故や死別のような単回のトラウマや、虐待のように繰り返されるトラウマ体験があり、これまでマインドフルネスやヨガに挑戦してみてもうまくできない。ドキドキしたり強い感情や強い不快感に襲われて余計に神経が活性化してしまったり再トラウマ化してしまったことがある。そのような方にも少しずつマインドフルネスの効果、セラピーの効果が得られるようにお手伝いします。

3.ともに生きる (お互いを尊重し、ともに成長を喜び、いい影響を与えあう関係)

ハコミセラピーでは「有機性の原理」と言うものがあります。人には良くなろうとする力が備わっている、という考え方です。また、ひとりひとりには固有のペースがあります。

クライエントさんは、おそらく、人生でとても大変なときに、勇気を出してセッションを受けに来てくださいます。

・わかってもらえるかな

・否定されたらどうしよう など、不安とともに来てくださる方が大半です。

どのような気持ちも、どのような態度も、どのような悩みも、願いも、全て歓迎し、尊重します。

皆様が安心して成長・変容・回復できる環境やかかわりを提供できるよう、学びつづけ、

出会う全ての方と、人生の大切な時間をお互いにいいものにできるような関係を、と願っています。


ハコミセラピーは、理論的に体系化されたものですが、決まったプロセスや決まったプログラムを行うものではありません。また、セラピストによって様々なバックグラウンドや経験があり、それを活かしたセッションを提供しています。

私の場合、大学では社会学を主に学んでおり、当時は個人の心理よりも集団の行動に興味がありました。(人間が好き、ということは変わってないようです笑)

その後、就職、結婚や子育てを経験しながら社会にでて、偏見や無理解、女性が自分らしく生きることの難しさを経験することがありました。そんな社会を変えていきたい!と、NPO法人で女性の相談や支援に長くかかわっています。

「自責(自分が悪かった)」「自己尊重感の低さ(どうせ私は~)」など無力感を感じておられる女性と出会うことが多いです。

しんどさはその人が悪いからでも、おかしいからでもなく、社会に求められる“女性らしさ”や価値観が自分らしさを制限し、生きづらさの要因になる、という”フェミニストカウンセリング”の視点も大切にしています。

近年、心理の分野でもこのような社会的要因や時代的要因を扱うことが増えています。

①個人の心の傷の回復や成長

②お互いに理解をすること

③社会や制度が変わっていくこと

そのどれもが大切です。

心理支援を通じて、人と人が傷つけあわず、思いやりにあふれた社会になることを願っています。

マインドフルネス、瞑想、ヨガ、ドラマワーク、ボイスワークなどの学びを活かし、

私自身も更に成長しながら、セッションを提供していきます。